Extension LagとScrew Home Movement|アスリートの為のコンディショニング調整
しばしば前十字靭帯損傷の選手のリハビリを行っていると起こり易い現象だと思います。
特にOPE後4w以内辺りにROMが約0-5-120近くまで回復しない場合に多い感じがします(これは完全な私見です・・・)。
"Extension lag"(別名伸展ラグ)とは腿前の筋肉である大腿四頭筋(以下Quad)の筋力が何らかの原因で弱くなってしまう(筋力低下・根症状・筋疾患<進行性筋ジストロフィー>・神経疾患<筋萎縮性側索硬化症>等)事で、Quadが上手く働かなくなり最終的に最後の伸展10度程度が出来なくなるというものです。
これは特に内側広筋の機能低下によるものが多いとされています。内側広筋は最終伸展位に近い方が筋活動が多いとされているからです。
またこれ等の他に膝関節自体(PF・FT)や膝蓋骨の動きが悪くなることによって起こり易いとも言われています。
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"Screw home movement"とは膝を屈曲位から伸展していく最中に脛骨が外旋して伸展を完成させる事です。何故脛骨が外旋するかというと、大腿骨の内側が外側よりも大きい為に脛骨が外旋しないと内側面が残ってしまい最終的な伸展が完成しないからです。この運動はよく筋力に頼る事無く立位を長時間維持して、膝を伸展位に保つ事が出来ると言われています。
これ等の運動と膝の障害(特に半月板やACL損傷)は密接な関係を持っています。
そこで現在行っているリハビリの例を紹介します。
最近リハビリを行っている左ACL損傷の選手でST腱の再建を行った選手では、ST腱の部分が張っているのと同時にSMも張っていて内側ハムストリングスが非常に硬い状態になっていました。
それに伴いBFが全く機能しておらず歩行時のTake-offの際には必ず踵を内側のハムに近づける様な動きを行っていました。
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骨盤の動き等も悪く重心は右に乗っており、骨盤の前傾位が右に目立つ様になりました。という事は右の骨盤を上げる際には腰方形筋の緊張を伴って行うので骨盤のロッキングが起こり腸腰筋の機能が低下していました。
骨盤だけで診ると右の動きが悪く一見右の方を改善したくなるのですが、実は左ACL損傷のせいで右骨盤が上手く使えていないというパターンです。
その左膝は先述した様にハムストリングスが張っている事やOPE後である為ITT(腸脛靭帯)やVL(外側広筋)が張っている事等のせいで、膝蓋骨にロッキングが起こってしまっています。また内旋傾向が強いせいでScrew home movementが上手く行かず、伸展させていっても脛骨が外旋しないまま伸展していました。
また大腿骨に対して脛骨が前に出ている事や膝蓋骨も上手く動かない状態でPF関節に圧縮応力が強くなり、膝蓋腱の痛みや伸展ラグが起こっています。
雑誌記事·脊柱側弯症
このまま膝の通常のリハビリとして膝伸展運動を行ったところで効果が出にくく、むしろ膝蓋腱の疼痛が増すばかりです。ではどうするのか?
どんな手技でも構いませんが私は何をしているかというと・・・
まずは通常のScrew home movementを取り戻すこと→膝のトラクションを掛けながら脛骨の外側部や腓骨頭を下に押し込んでやる。そして脛骨の近位部を押さえ込みながらExtensionを行う。
そして本人には脚をつま先より遠くから回す様に伸展させる事を意識付けさせる。
そうする事でまずは脛骨の外側部や腓骨頭を落とし込む事で正常な動きが促され、意識付けと脛骨を押さえ込みながらのExtensionを行う事で膝関節に引き離す力が生まれます。それによって拘縮している膝関節に余裕が生まれるのでスムーズなローリング運動が出来る様になる事が多いです。実際この選手は急激にROMが良くなってきていますし、膝周囲の疼痛を訴える事が少なくなってきています。
もちろんこれだけで良くなる事は無く重心コントロールやランボペルビックの調整、またマッサージ等色々な事を行っていますので何か気になる事があればご連絡下さい。
少し話が反れてしまいました・・・・・・・・
日曜日は市原臨海競技場で試合があります。残りも後2節なので選手をサポート出来る様に頑張って行きます。
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